【鷲座のユナ 感想】
■ 良かった点
・『これまでのあらすじ』に該当する <序> があったこと
後編の冒頭で <序> という形で、Ω本編のストーリーや二次創作 前編の一部を紹介していたこと。この構成は非常に良かったと思います。
アニメ本編を未視聴であったり、ねばのべさんの書いた小説の前編を読んでいない読者にも「これまでのあらすじ」として物語の概要がおおむね理解できるため。
こういう親切設計は読み手としてとても有難いです。
■ 残念に思われた点
・<序>のボリューム、内容はやや不足していたように思われます。
前編までの「あらすじ」に関する記述が簡潔すぎたように感じられました。
例えば『光牙は己の無力さに我を忘れ、闇の小宇宙に身を委ねて得た力で二体の四天王を打倒するも』の箇所です。
『二体の四天王』だけではなく、その一人をが『炎を操るウェルカーヌス』であったこと、彼の名称や特技まで言及しておいた方が良かったかもしれません。
……と。言いますのも。
後編で以下のような記述がありましたが……。
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哀れな少女聖闘士の秘裂に、無情にバックスの巨根が突き刺さった。
「ひぐううううっ!!」
腟内を押し広げる太く逞しい剛直。
肺から絞り出した悲鳴と共に、見開かれた両目から涙が流れ落ちた。
ウェルカーヌスの焼きごてのような灼熱のペニスとは別種の、岩塊そのものと言って過言ではない太く雄々しい男根がユナの腟内を蹂躙する。
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前編を読んでいない人が後編を読んだ場合、「ウェルカーヌスって誰? 竿役増えた?」という疑問が頭に浮かんでしまう可能性が大です。
実際、自分はアニメ本編を見ていないので、後編のウェルカーヌスの名称で一瞬混乱してしまいまして。
「あれ? ウェルカーヌスって誰だっけ?」
「…ああ、そう言えば。前編にそういうキャラいたかも」
などとネットで検索するなどしてしまいました。
自分のように、原作アニメを見ていない『知識不足』の読者の混乱を防ぐ意味でも。
<序>でウェルカーヌスについて言及するくらいのボリュームで『これまでのあらすじ』を紹介をするか。
もしくは後編で思い切って『ウェルカーヌスの焼きごてのような灼熱のペニス』とバックスのペニスの比較の箇所を削るか。
などの『わかりやすさ』に対する配慮があった方が、読者の『物語への没入感』を損なわずに済んだように思われます。